消費者金融の審査基準は統一されているのか

消費者金融の審査基準は統一規格?知られざる基準に踏み込む!

審査は一定ではない

消費者金融が融資申し込みの際に行う審査には、国の制度のような確たる基準があるわけではありません。金融各社が個々の審査基準によって融資希望者を判断しているため、X金融では断られたが、Yローンでは問題なく貸してもらえた、というようなことは起こり得ます。

金融各社にとって融資希望者は顧客であり、他社はライバルです。顧客の獲得のためには、ニーズに合わせた新たなサービス提供も必要であり、特色ある新商品による他社との差別化も経営戦略の一つとなります。一定期間、利息を取らないというサービスもその一つなら、他社の審査基準に満たないで融資不可になる専業主婦やパート主婦層に対して、付帯条件をつけて、金利を上げることで融資を可能にしたり、追加審査によって貸付の調整を行うなども、同様といえます。
(⇒主婦はどうやって消費者金融に申し込むのか?

一定でない審査から貸付対象を見出すには

審査基準の中で重要とされる在籍確認も同様で、一つの方法で融資不可となっても、追加の調査を付け加えて融資可となるケースが増えているようです。長引く不況で本人に落ち度なく勤続ができなくなったり、派遣切りなどで就労の意欲に関係ない転職や、自宅待機が増えている現状を考慮して消費者金融側から譲歩する形になるのでしょう。希望した限度額より下の数値を提示して、それで折り合うようなら融資するというのはよくあるパターンです。

このような傾向は消費者金融同士の生き残り競争という意味で仕方ないことではありますが、一方で審査基準の引き下げにつながる面は心配であるといえます。

ネット上でも、口コミサイトで、「審査の甘い消費者金融ランキング」などの情報が用意に手に入る時代、利用者側も「少しでも審査が簡単で、通りやすいところ」という目的で、融資を申し込みます。こうした情報過多が、審査基準の引き下げを加速する恐れにつながらないか?は、今後の課題といえましょう。

また、そうした審査基準が甘いはずの業者でも、融資が認められない場合、いわゆるブラック専門などの、より審査基準が甘く、その分金利が高く返済の条件が悪い、小規模の業者のところへと流れていくことになります。

貸付を受けるときは甘い審査でも、返済の条件が悪いと多重債務へのリスクは高まります。おまとめローンなどを利用するにしても元本の金額が膨らむだけで、金利が下がらなければ完済までの時間が長引くことになります。その結果、利用者の生活状況が悪化することが危惧されています。
(⇒おまとめローンの賢い使い方

今後の審査の課題

業者間での共通項はあるものの、確定的なタブーは法制化されている部分にとどまるため、規制するにも限界があるという表れなのでしょう。そして、いわゆる闇金は、そもそも違法は承知で貸付しているのですから、規制はあまり効果がありません。
(⇒違法も恐れない闇金業者について

自身の経済状況が芳しくないと冷静な判断力が働かず、こうした落とし穴に落ちる危険が高まります。審査基準は業者側の業績悪化を防止するだけではなく、利用者側の生活を守る目的でもあるのですから、焦って債務総額を増やす選択をしないような冷静さも大切でしょうね。

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