消費者金融が債務名義取得する意味

消費者金融が『債務名義を取得する』って?複雑な事情をしっかり解説

債権を証明する書類

『債務名義』とは、端的に言えば『裁判所が認める借金の情報書類』のことです。「誰が誰から、いつ、いくら、年利何%で、どのような返済方法でお金を借りたか?いくら返して、いくら残っているか?」を証明することができる公的な書類のことで、いくつかの種類があります。いずれも、裁判所の手続きによって発行されます。
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債権名義の詳細

債務者(借りた人)が返済不能になり、滞納が起こった状況のことを債務不履行といいます。そのまま放置しておけば、滞納金と利息が増えて不良債権になるばかりでなく、最悪時効がくれば、回収不能になってしまいます

これは貸した側にしては非常に困ることですから、何とか回収をしたいところです。しかし法律により、私的な制裁や執拗な取立てなどによって返済を求めることは禁止されています。従って、回収を行うにしても所定の手続きを踏む必要があるわけです。
(⇒借金の過激な取り立ては違法って知ってた?

借金の返済を求める場合は少額訴訟、民事訴訟、支払督促などに代表される裁判所を介した手続きを行う必要があります。そこで認められて、確定判決や仮執行宣言付支払督促(強制執行が出来るようになる状態)、公正証書に基づいた執行証書などが付与されて、初めて強制執行などの回収のための法律的な手続きができるようになります。上記の手続き完了によって判決正本や仮執行宣言つき督促などの書類を得ることになります。これらも債務名義の1種です。

様々なケースがある

他にも、債務者側が多重債務などを理由として自己破産や、個人再生手続きなどをしたときは債務者側からの申し立てで、債務が確定するケースもあります。

自己破産で同時廃止となり免責が確定すると、債務者は借金の払う義務は免除されますが、債権者側にしたら借金を請求することができなくなってしまいます。そのような場合、返済してもらえなくなった分は、税務上の措置の対象になり税金負担を軽減されるようになっています。破産宣告で債権者だけが救われるようであれば、今頃金融業界は破綻の可能性もあったでしょうね。

銀行などではこうした場合に備えて担保や抵当権の設定を行っていて、その分利息が低くなっています。対して多くの消費者金融は無担保融資であり、その代わり利息が高いという特徴があります

ごく稀にですが、資産があるにもかかわらず、消費者金融からの借り入れを踏み倒して逃げているような債務者の場合、悪質とみなされると債権者からの申し立てで強制的に破産手続きを行う場合もあります。これを債権者破産といい、このような場合は弁護士に依頼して、債務者の債務の状況を調査する必要があります。このことを俗に『債務名義を取得する』と呼んでいます。

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