武富士は何故TFK株式会社になったのか

消費者金融武富士はどうして更生会社TFKになったのか?

武富士からTFKへ

社名、『更生会社TFK株式会社』、商号『TFK株式会社』は、元『株式会社武富士』と言い、昭和41年1月に武井保雄さんが創業した富士商事が前身とされる消費者金融業者です。現在、東京都中央区日本橋室町に本社があります。
(⇒消費者金融の基礎知識

武富士の凋落

当社は、団地金融をきっかけに高利貸しをしていき、芸能人を多用したテレビCMの大量出稿などで「サラ金」に対するイメージ向上を計り、創業者である武井保雄さんが、当社を一代で消費者金融業界のトップまで築き上げていきました。特に武富士のCMのダンスは、今でも記憶に残っているのではないでしょうか。

しかし、その裏では経営方針や体質を批判されることも少なくはなかったようで、それを批判する出版社やフリーライターを名誉毀損訴訟を起こしたことが何度かありますが、ほとんどが敗訴で終わってしまったようです。更には、同社会長である武井保雄さんが、不祥事で逮捕されると言う事件も起きてしまいます。もうすでにこの時点で、現代の借り入れとしては成り立たないのが予想に難くありませんね。

凋落は崩壊へと繋がる

2000年代後半では他社の大手金融業者同様、過払い…つまり融資を受けた人が業者に支払いすぎた利息の請求の増加により、業績と資金繰りの悪化が伝えられ、平成22年9月28日には東京地方裁判所に会社更生法(再建を目的とした倒産法の一つ)の適用を申請し、受理されました。再建とは言ってもすでに悪いイメージが払拭出来るかどうかと言えば危ういところですよね。

過払いとなった同社の顧客は、推計で約200万人とされています。また、その過払い額は2兆4000億円とされています。その後、当社に債務譲渡を受けた富士クレジットが、顧客の一部に一切の金銭的請求をしないなどの条件とした「和解書」を送付し、署名も要求していたことが判明します。一体この行為が何を意味するのか?

これは、事実上返還請求を封じようとする動きであるとされ、様々な法に抵触するとして問題視されています。簡単に言えば「返還するつもりは無いから認めて下さい」と言っているようなもので、企業どころか人としての常識が疑われてもおかしくありません。当社はその後、韓国の消費者金融である「A&Pファイナンシャル」がスポンサーとなり、買収することが発表されました。

商号が『TFK株式会社』になったのは、この買収が行われた辺りのこととなります。更生計画として1ヶ月以内に会社分割(吸収分割)を行い、約282億円でアプロ株式会社に承継させた時に変更したようです。こうして消費者金融の一時代を築いた武富士は実質的に私達の前から姿を消す事になりました。

その後の動向

この事により、当社は債権者に対しての配当を行うことに特化するようになりました。融資や返済の仕事はアプロに任せたと言う事です。しかし、A&Pが資金調達を行えなくなったため、平成23年12月28日には、新たにJトラスト株式会社との間でスポンサー契約を締結し、その子会社である株式会社ロプロに事業を承継させることとなったのです。

ちなみに、ロプロは東京都港区高輪3-19-15に本社があり、融資と返済はこちらが担っています。TFK株式会社は、弁済や会社更生手続きなどを担っているようです。私達利用者にとっては流れが急すぎて分かりにくいかもしれませんが、武富士がTFKとなり、そして今も尚金融業界に残っているという事が今となっては一つだけ残った事実と言うべきでしょう。

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