消費者金融の取り立てはまだあるの?

消費者金融は取立てが激しく自宅まで来る?法的な見解から事実を見る

借金取り立てのイメージ

金融業界を取り扱ったコミックスやテレビドラマで、怖そうないかにもという感じのいわゆるチンピラが「親父さんの作った借金なんだ。知らない、じゃすまねえんだよ。耳をそろえて返してもらおうか!」だのとすごんだり、嫌がらせのピンポンラリーやポストに怪文書をいれる、なんて取り立て風景が描かれているのを見かけたことはないですか?

「借金の取立てってヤクザみたい」と思われた方も多いのではないでしょうか?サラ金から消費者金融に変わってもまだこのイメージが根強く残っており、今でも消費者金融で借りる=悪質な取り立ての図式があります。

よくある光景は事実なの?

しかし、これは昔の話です。現在は法改正によりこのような取立てそのものは規制と取締りの対象になっていて、違反すれば各種罰則が適用されることになっています。実際の現場に立ち会うと怖いと思いますが、通報対象ですので落ち着いて対処すればいいのです。

冒頭に書いたような取立てが公然とまかり通っていたのは、昭和の後半から平成一桁時代です。この頃はバブル期に向かう頃からバブル崩壊の直後であり、日本は空前の土地ブームと個人投資熱に浮かされて「金を借りてでも」という気風がみなぎっていました。今考えると大変に愚かしい思考です。
(⇒お金は借りれても返せないと意味が無い

一方で、高齢者家庭のご老人が執拗なサラ金の取立てに心を病んで自殺する、などの悲しい事件も起きていました。当時は取り立てに関しての厳格な規定がなかったために、暴力団の資金源として『債権取立て業』という闇商売が存在しており「取り立て屋」と呼ばれて、これを専業とする団体もありました。闇金融業者に限っては、未だにこれを行なっている事も珍しくありません。
(⇒闇金融業者の違法な行動の数々

消費者金融業界に関わる規制が全般的にゆるく未発達であったため、高金利の貸付と多重債務から、取り立て屋の来訪を受ける率がバブル崩壊を起点に一気に増加しました。これらが社会問題となり「勧告」という形で消費者金融の取り立て方法について「家の中まで入らない」「恫喝口調禁止」などのガイドラインは定められたのです。

しかし罰則がなかったために、効果は薄いものでした。玄関先で座り込む、家を無言で取り囲んで監視するなど、規制されていない方法で圧力をかける業者もおり、心痛からの家庭崩壊や自己破産の増加も社会問題となりました。

法改正により変わったこと

その後、貸金業法の改正によって

・暴力的な態度をとる
・大声や乱暴な言葉をつかう
・3人以上で押しかける
・夜9時から朝8時までの時間帯(=深夜、早朝)の電話、電報、訪問
・執拗な電話や訪問
・プライバシーの侵害(例:玄関への張り紙や、近所に噂を流す)
・勤務先への訪問して不利益を与える
他の消費者金融から借り換えての返済を迫る
・法律上の手続き(破産、弁護士などへの依頼など)をした後に返済請求をする
・返済義務のない人に請求をする

などは、違反として罰金や懲役の対象となっています。もしも該当する被害に遭っているなら、速やかに法的な訴えに出ましょう。

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